divider

separator


テキーラが忘れさせてくれないこと

/ 0 Comments /

どーもどーも。

健太です。

いやー久しぶりの投稿ですね。

 

 

IMG_7093ルワンダ滞在最後の週末にリフレッシュしに湖に行ってきました。

 

ルワンダでの最後の週は仕事の仕上げでとっても忙しかったのと、ルワンダからポートランドに帰った後も、違う仕事が降りかかってきたり、体調を崩したりしていました。

 

 

IMG_7150ポートランド滞在最終日にオフィスの前でベリーフェスティバルが開催されてました。

 

ルワンダからアメリカに帰国した直後に熱が出たので、「まさかマラリアか?」と疑いました… 急いでポートランドの病院で検査をすると、結果は陰性。ただの風邪でした笑

 

検査してくれた人がたまたまブラウン出身の方で、検査そっちのけで好きなレストランやらブラウンあるあるの話になってしまい、きちんと検査ができているのか心配でしたが、無事回復したので本当にただの風邪だったのでしょう。

 

 

そんな体調が万全ではない中、日本に帰る前にちょっくら会いに行ったのがこの人。

 

 

Processed with VSCOcam with f2 preset

 

みなさん懐かしのトモチーニ。

普通にしてるとイケメンなので、あえて変な顔に撮れたこの写真をチョイス。

 

現在はサンフランシスコで活躍中。

相変わらず独特のギャグセンスは健在でしたし(風邪で寒かったのか智也さんのギャグで寒かったのかわかりません)、仕事もバリバリやっているようでした。

久しぶりにと言っても2か月ぶりくらいでしたが、お互いの近況報告をしたりしました。

 

IMG_7349もともと好きだったお店が中目黒に新店舗をオープンしたので早速チェック。

 

トモチーニ家に3日ほどお邪魔した後、東京に帰り久しぶりに友達にあったり、コーヒー関係の知り合いに会ったりしました。もちろん新しいコーヒーショップもすでに何件かチェックしました笑

 

 

久しぶりということもあり書きたいことはたくさんあるのですが、とりあえずルワンダでのインターンを終えて考えたことを書きたいと思います。ちょいとドラマチックに。

 


 

IMG_7132

 

キガリでの最終日は大忙し。仕事の引き渡しと仕上げをギリギリまでこなし、荷造りを大慌てでして、半分夜逃げのようにブリュッセル行きの飛行機に飛び乗った。ここで一息つければ良かったのだけどそうはいかず、ポートランドの本社で行うプレゼンのスライドを仕上げに取り掛からなくてはいけなかった。飛行機が離陸してからベルト着用サインが消えるのを今か今かと待ちわびて、やっと消えたと思ったら大急ぎでパソコンを取り出した。しかし運のないことに、パソコンにトラブル発生。キーボードが全く反応しない。

 

思いつくリセットの方法を全て試し、パソコンの起動音を10回くらい聞いた後、腹を決めてブリュッセルに着くまではとりあえずゆっくり休むことにした。プレゼンの用意に集中しようと思いほとんど暇をつぶすものを持ってきていなかったので、仕方なく手元にあった本を開く。3ページくらい読んだが、あまり読書に集中できない。しょうがないので本も閉じて、ついでに目も閉じる。機内に響くゴーッという無機質なエンジン音を聞いて、やっと我に返った。

 

 

「アメリカに帰るのか。もうルワンダでのインターンは終わりなんだ。」

 

 

ここ数日があまりにも忙しかったので、改めて考えることもなかった当たり前のことを頭の中で反芻する。

 

 

「自分は会社のために何かできたのかな。何か学べたのかな。」

 

考えても答えが出ない問いへの答えを考えている内にいつの間にか眠っていて、気付いたらブリュッセルについていた。早速インターネットに接続して、パソコンのトラブルを解決する方法を模索する。色々な方法を試してみるが結局治らないのでパソコンは諦め、iPhone上でスライドを編集することにする。小さな画面でスライドと格闘をしながら移動し、なんとかポートランド空港に辿り着いた。疲れ切った体に鞭を打って会社の上司(Aさんとしましょう)の家に辿り着き、夜ご飯もそこそこに倒れ込むようにしてその日は眠った。

 

 

Processed with VSCOcam with p5 preset

 

次の日になり本社に出勤し、機内で仕上げたスライドを使って朝一でプレゼンをした。本社でインターンをしていた学生を始め、沢山の人がプレゼンを見に来てくれた。30分ほどのプレゼンを終えると沢山のフィードバックと質問があり、もともと45分の予定が15分ほどオーバーするほど議論が白熱し、とりあえずプレゼンは成功したと思う。

 

 

プレゼンが終わるとマラリアの検査をしに病院へ。体調はまだ少し悪かったけど、検査後オフィスに戻りその日はできる範囲で仕事をして、Aさんの家に帰った。すでに帰宅していたAさんは、僕が帰ってきたのを見て、「本当は外でご飯食べようかと思ってたんだけど、ケンタが体調悪いみたいだから今日は家で食事にしよう!パスタ作ってるけどそれでもいい?」といってきた。素晴らしい上司を持ったことに感動しながら、僕はお礼を言った。

 

 

リビングに座って水を飲んでいると、料理をしながらAさんが話し始めた。

 

今朝のプレゼンとってもよかったよ。」

「ありがとう。」

「あれを聞く限りではケンタのルワンダでのインターンはすごく充実してたんだなーと思ったけど、実際はどうだった?楽しかった?」

「とっても楽しかったし、いい経験だったよ。自分が想像していたのと同じ部分もあったし、違ったところもあった。あとはプレゼンでも少し言ったけど、ポートランドオフィスとルワンダオフィスの両方の雰囲気を知れたのが良かったかな。」

「そっか。ルワンダで6週間過ごしてみて、産地で働きたいとは思った?」

「うーん。ルワンダでの生活はとても刺激的だったけど、本腰を入れて産地で働きたいかって言われると微妙かなあ。まだなんとも言えない感じ。」

 

 

Processed with VSCOcam with c1 preset

 

 

「ケンタはやっぱりコーヒー業界で働きたいの?」

「うーん。いつかはコーヒーに関わることがしたいと思ってるけど、大学出てすぐとは思ってないかな。」

「へー。それは何で?」

「やっぱり大学出ただけじゃまだまだ未熟だと思うし、コーヒーだけに凝り固まりたくないっていうか、違う業界で経験を積んで、そこで得た知見を持ってきてコーヒー業界にインパクトを与えたいって思いがあるからかな。」

 

 

IMG_2936

 

「そっか。周りの友達はどんな感じなの?」

「日本からアメリカに来てる留学生は結構似たような進路を選ぶ人が多いかなあ。金融だったり、コンサルだったり、あと日本特有だけど商社っていう業界も人気かな。」

「でも違う大学にいって、違うこと勉強してるのにその3つの業界が人気なのは意外だな。」

「まあ給料もいいし、働いている人たちが優秀だからね。あと外資の金融とかコンサルは、企業文化が日本の企業と違って留学生が馴染みやすいってのもあるかな。」

「ケンタもやっぱりその3つの業界のどこかに行きたいの?」

「うーん。まだ悩み中かな。コーヒーのことが好きで今まではとりあえずサプライチェーンのすべてのプロセスを経験してみたいって思って色々やってきて、やっと全部をざっと見れたから、今は自分がコーヒーでやりたいことを整理して考え直している際中かな。それがわかったらそれに向けて、どんなことがしたいかが分かる気もするし。」

「なるほどね。僕はケンタの今の話を聞いていて、こうも考えられるんじゃないかって思った。ケンタはコーヒーが好きで、せっかくいろんなことを経験してきたんだから、『コーヒーの何が好きなのか』を考えればいい。例えば『コーヒーのことをまだよく知らない人にコーヒーを飲んでもらって喜んでるのを見るのが好き』とかさ。そういうのがわかれば、コーヒーが違うプロダクトとかサービスに入れ替わったとしても、ケンタはきっと楽しいと思えると思うよ。」

 

 

そこで一呼吸おいて水を飲むと、Aさんは自分の事について話し始めた。

 

 

「僕はもともとこの会社に来る前、広告関連の会社を立ち上げて経営してたんだ。広告が好きだったし、何より顧客と一緒の立場に立って、どうやったら彼らのプロダクトやサービスの良さを伝えられるかを考えるのが楽しかった。それであるときひょんなことから今働いている会社の社長に出会ってさ、『うちで働いてみないか』って言われたわけ。親がメキシコ人だったしコーヒーは身近にあったから、『コーヒーかー』って思いながらとりあえず働き始めたの。でさ、働き始めて1週間くらいして社長が『仕事はどう?ここで働いてく気はある?』って聞くわけ。だから僕は『仕事は楽しいよ。楽しいと思う限り続けると思うし、楽しくなくなったらやめると思う』って言ったんだ。それでずっと楽しいと思えてるからまだここにいるわけ。結局のところプロダクトやサービスの裏にあるストーリーをどうやって人に届けるかってことを考えるのが、僕は好きなんだろうね。そのプロダクトがたまたまコーヒーだったってだけで。ケンタも同じ風に考えることができるかはわかんないけどさ、とりあえず何で自分がコーヒーが好きで、どこが好きなのかを考えてみてもいいんじゃないかな?

 

 

そこまで言ってまた水を飲むと、Aさんは「なんか真面目な話になっちゃったね」と言って笑い、「そうだ!いいテキーラがあるんだよ。ケンタはテキーラ好き?」と言った。僕が「好きと言えば好きだけど、まだ病み上がりだし…」と言うと、「メキシコでは風邪の時にはテキーラを飲むんだよ!そしたら風邪が治るか、風邪をひいていることそのものを忘れることができるから」と言って笑った。

 

 

IMG_7154

 

 

結局僕はAさんが中米のいろんな国から集めたテキーラやメスカルを飲むことにした。翌朝無事に風邪をひいていることを忘れることができたが、Aさんの言葉はいつまでも頭の中に残っていた。

 

 

「コーヒーの何が自分は好きなのだろう。」

 

 

サンフランシスコで久しぶりに会ったトモチーニは、「自分の情熱を追い求め、それを活かすための遊び場」で一生懸命遊んでいた。「なぜなぜ」で遊びながら必死にもがいていた。

 

今年3月に行った、ユタ州の火星研究所でのシュミレーション。

 

 

トモチーニが4年前の自分に宛てて書いたように、僕ももしかしたら2年後には「コーヒーは君の情熱じゃないよ」と言ってるかもしれない。もしかしたら言ってないかもしれない。そんなことは誰にもわからない。

 

 

ルワンダに持って行った本の中に、朝井リョウさんの「何者」という小説があった。出発する日の前日に、ポートランドにある紀伊国屋書店で何気なく手に取って購入したのだ。飛行機の中ですることもなかったので、ブリュッセルからキガリに向かう機内で「何者」を読み始め、キガリに着く頃には読み終わっていた。

 

「何者」は就活中の大学生が主人公の物語だ。主人公を取り巻く、日本のどの大学にも居そうな登場人物が、それぞれのやり方で就職活動に取り組んでいく。登場人物のツイートを使った巧みな人物描写を始めとする様々な表現が、今時の就活生をリアルに描き出している。

 

小説に登場する人物は自分と向き合う中で葛藤し、将来の進路を模索する。学生という身分がなくなり社会に出て行かなくては行けないという不安から、自分が「何者」なのかを考え始め、そして「何者」になりたいのかを思い悩んでいく。

 

Processed with VSCOcam with c1 preset

 

最近同年代の人に会うと「熱中できる何かがあるっていいよね。羨ましい。」と言われることがある。人に誰かを紹介される時に「あーあのコーヒーの人ね。」と言われることも沢山ある。もちろんコーヒーに熱中しているかといえばそうだと思うし、コーヒーを通して自分を知ってもらうことに抵抗はない。ただそういう風に言われる度に、表現しがたい不安が自分の中にムクムクと膨れ上がるのだ。

 

 

Processed with VSCOcam with b1 preset

 

「情熱を持て!」と大人は言う。「情熱」という言葉自体、響きが良い。・・・(中略)・・・ 君はこのイミフな「情熱」という言葉に頼り始める。たとえ将来に不安を抱いたとしても、「大丈夫。俺には情熱がある」と自分に言い聞かせる。

「4年前のトモチーニへ」より

 

 

コーヒーという情熱に頼っていていいのか。そんな不安がぐるぐると自分の中をまわることになる。

 

「何者」のラストシーンで、主人公と対峙する登場人物は主人公に向かってこんなことを叫ぶ。

 

 

「いい加減気づこうよ。私たちは何者になんてなれない」

 

 

このセリフを読んで僕は「オトナの!」で蜷川実花さんが言っていたセリフを思い出した。

 

Screen Shot 2016-07-27 at 6.40.43 PM(Photo)

 

「自分を探すって、探しに行って見つかるようなもんじゃないのが自分だったりするじゃないですか。」

蜷川実花

 

 

確かにその通りだ。きっと僕は「何者」かになろうとしてもなれないし、「自分」を探したところで「本当の自分」が見つかるはずもない。言い方が悪いかもしれないが、たかだかガンジス川やらアフリカの僻地にある村やらに旅行がてらに行った程度で「自分の世界観」が変わって「本当の自分」が見つかるような「自分」は大した「自分」ではない気がする。

 

 

IMG_7332

 

 

だからきっと人生経験の乏しいまだまだ未熟な僕は、自分が何かに興味を持つことや何かを好きになる理由を探すことでしか、「何者」になることも、「自分」を見つけることもできないだろうし、将来について考えることもできないのだと思う。

 

 

Processed with VSCOcam with b1 preset

 

サンフランシスコから成田に向かう飛行機は、座席にスクリーンが付いていない古い型の飛行機だった。映画も観れないし、ブラウンから持ってきた本もポートランドで買ってきた本も全て読んでしまい読む本もない僕は、電子書籍版の「何者」をもう一度読むことにした。(ポートランドで買った文庫本の「何者」はトモチーニにプレゼントした)

 

 

Processed with VSCOcam with m5 preset

 

 

読んだのが2回目だったということもあるかもしれない。でも、ルワンダでの6週間、テキーラを飲んだ夜のAさんのとの話、トモチーニと互いにした近況報告を経て、2回目の「何者」を読み終わった時の読後感は、2か月前にルワンダに向かう機内で初めて読んだ時の読後感より、少しだけ晴れやかなものだった気がした。

 

 


 

というわけで。

久しぶりの記事で長くなってしましましたが、こんな感じでどうでしょう。

ほいではまた来週!

 

 

^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^

クリックお願いします!


separator

No comments so far!

separator

Leave a Comment


separator