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【クマタチの教室】女性が立ち向かう、ガラスの天井

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どうも、最近麻雀の面白さに気がついた柚子です。

水曜から感謝祭の休暇で、もう一人の友達とルームメイトの家に遊びに来ています。昨夜は感謝際ということで、七面鳥を食べ、今日は中華街へ食べに行ったり、おいしいものばかり食べて幸せです。こんな幸せな思いをしていたので、ブログ担当の昨日はどうも大統領選について考える気になれませんでした。

 

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今日のお昼/夕飯の中華。昨夜の七面鳥は写真を撮り忘れました(笑)

 

さて、私が今回の選挙で一番印象に残ったことは、ヒラリー・クリントン氏の敗北宣言のスピーチです。特に最後の文章が印象に残りました。涙をこらえながら、力強く、彼女はこう言います。

“And to all the little girls who are watching this, never doubt that you are valuable, and powerful and deserving of every chance and opportunity in the world to pursue and achieve your own dreams.”

(そして、これを見ている全ての小さい女の子達へ、あなたには価値があって、力強くて、あなたの夢を叶えるための全てのチャンスと機会をもらう権利があることを疑ってはいけません。)

 

この選挙が、女性にとってどれ程意味を持っていたことか。

 

選挙の夜、開票前のイベント。そこでの女性の教授の言葉。

”私の母は女性に選挙権が与えられた年に生まれた。そして彼女は女性の大統領が誕生するまで死にたく無いと言う。これを聞いて、この選挙がどれ程女性にとって意味があるものなのか、改めて気づかされた。”

 

女性に選挙権が与えられてから96年、少しずつ、男尊主義の社会は崩され、女性は社会の中で認められるようになってきた。そして、大統領というアメリカを代表する役割が女性になったら….。もし、アメリカという世界でもっとも影響力のある国の大統領が女性になったら…。今回の選挙は、男女平等に至るまではまだまだ課題があることを示されたようだった。

もちろん、ヒラリーが女性だったからということだけが敗北の理由では無い。しかし、多くの人が彼女に投票し、また多くの人が彼女に投票しなかった理由が彼女が”女性だから”だったことは言えると思う。

 

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Long Island Soundの浜をお散歩

 

“Hi, I’m Yuko and I go with she/ her/ hers.”

(こんにちは。私は柚子で、彼女・彼女の、で指してね)

ブラウンでは、見た目とジェンダーが違う人が多いから、he(彼)なのかshe(彼女)なのかthey(それ以外)なのか、自分が呼ばれたい人称を自己紹介で言うことが多い。

 

工学の授業で、いつも例を言う時の三人称はsheを使う教授。Heを使うと”技術者は大体、男”という固定概念を強化してしまうからだろうか。

 

中高女子校に通っていた私には、世界が男性によって支配されていることに気がつくのには時間がかかった。私が知っている”男子”は小学校の頃の女子に引っ張られている男子で、班長や部長や生徒会長とか、男にはとてもできないと思っていた。それよりも、女子校だと何でも女子がやるから男子が何かを指揮っている姿を見なかったし、想像すらできなかった。しかし、女子校を出てみるとそうでは無かった。多くの国のトップは男性だし、共学の学校の班長や生徒会長の多くは男ならしいと聞いた。

 

そもそも、男と女、違う生き物なのに”男女平等”を求めるべきなのか?時々そう思う。例えば、理系の女子が少ないのは、理系を選ぶ人が少ないからであって、”女にはふさわしくないからやらない”ではなくて”別にやりたくないからやらない”が理由ならば、理系の学部の男女比1:1を求める必要は無いのでは?と。

この考えに対してこう言われた。

”理系の学部が女子だけになってもまだ女子は’充分’では無いと思う。女性は男性とは気がつく点が違う。例えば、女性がもっと理系の学部にいれば、もっと女性が自分の身体に自身の持てるような服の形の研究とか、もっと女性に必要な研究が行われるかもしれない。”

 

もし、女性の大統領が誕生していたら…。”女の子だって、何でもできるんだよ。大統領にだって、ほら!”と、指をさせるお手本になる人が存在していた。何でも、初めてやるのは難しいけど、目標とする人がいれば少なくとも想像はできる。その目標とする人が自分と似ていたら、例えば同じ女性だったら、更に良い。

 

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寮の近くで見つけたグラフィティ

 

クリントン氏は女性の象徴としていて責任を感じていたんだろう。だから、いくら彼女がこの選挙で敗北しても、別に女性の権利が否定された訳では無く、まだ少し課題が残っているだけだと言いたかったのだと思う。まだまだ、女性には力があると。

“Now, I know, I know we have still not shattered that highest and hardest glass ceiling but someday, someone will and hopefully sooner than we think right now.”

(まだ’あの’一番高くにあって硬いガラスの天井を砕けて無いのは分かってます。しかしいつか、それも私達が今思っているより近いいつか、誰かがそのガラスを砕くことでしょう。)

 

ヒビが入って、だんだんそのヒビが広がって来ているように見えるガラスの天井。私も女性として、そのガラスを砕くのに協力しなければと思った。

***

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イギリスから見る大統領選挙

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ーイギリスから見る大統領選挙ー

 

ご無沙汰しております、京香です。

最後の記事はいつだったっけ?ってちょっと考えてしまうぐらい久しぶりの投稿となってしまいましたが、私は今イギリスのオックスフォード大学に留学しています。今年1年間はブラウンから少し離れた所からの投稿となりますが、改めてよろしくお願いします。

 

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私が所属するカレッジ、Lady Margaret Hallの正門

 

他のクマたち同様、私もCNNの中継を見ながら今回のアメリカ大統領選挙の結果が出るのを待っていました。ロンドン時間の夜10時から朝の6時まで生徒が40名ほどカレッジのバーに集まり、眠気と戦いながらアメリカの地図が徐々に赤く染まっていく様子を見守っていました。

途中から嫌な予感はしていましたが、結果はやはりクリントン氏の敗北、そしてトランプ氏の勝利に。涙を流しながら家族に電話する生徒もいれば、ただ静かに首を振る生徒もいて、その場を漂うショックと絶望感はとても重く感じました。

 

数日後、今学期とっている政治のクラスの教授が「2016年は Brexit の年になると思ってたけど、アメリカのおかげでトランプが勝利した年として歴史に残ることになりそうだね」と冗談を交えて語っていました。実際どっちの方がより深刻な現象なのか、現時点で判断するのは難しいですが、この2大事件の共通性は否定できません。

今回はアメリカの大統領選挙の結果と、今年の6月に決定したイギリスの欧州連合離脱(通称:Brexit)の共通点を幾つかまとめてみました。

 

*****

その1、高齢者が若者の将来を大きく左右する決断を下した

イギリスのEU離脱とトランプ氏の勝利で共通するのは、高齢者の支持層が圧倒的に多かったこと。イギリスでは投票した若者の75%がEU残留を支持し、アメリカでは若者の55%がクリントン氏に投票したと言われています(トランプを支持した若者は37%)。アメリカの場合、白人有権者の票を除いて計算するとクリントン氏を支持した若者の割合はさらに増えます。

ではなぜこのような結果になってしまったのか。Brexitの国民投票もアメリカの大統領選挙も、そもそも若者の投票率が低かった事が注目されました。イギリスでは「まさかBrexitを支持する人がこんなにいると思わなかったか」と言った声が多い中、アメリカでは「どうせ自分の州が誰に投票するか決まっている」と投票する意味がないと感じた若者が多い。自分の票に重みを感じない若者がこれほどいる事はとても残念な上、深刻な社会問題でもあると思います。

 

その2、外国人とグローバル化に対する強い嫌悪感

EU離脱派とトランプ支持者に共通する主張のひとつは移民や移住者に対する強い嫌悪感。他の国籍、人種、宗教を一括りにし社会に脅威を与える存在として捉え、人々の恐怖感を煽るキャンペーンが特に印象的でした。特にトランプ氏は「白人のナショナリズム」を経済的不安やテロに対する恐怖で正当化し、マイノリティーの人権に触れる差別的な政策案を提案してきました。

 

その3、建設的よりも破壊的な政策

医療費が高すぎる。じゃあ Affordable Care Act(医療費負担適正化法)を撤廃しよう。仕事がみつからない?なら不法滞在者から仕事を取り上げて国からも追い出そう。トランプの提案する政策は人々の抱える問題に正面から向き合い、新たな対処法を真剣に編み出すものではなく、今存在する組織やシステムを壊すことで「何かが変わるかもしれない」という一時的な錯覚を作り出すものばかり。彼の提唱するポリシーは、マイノリティーや社会的弱者から権利を取り上げることでしか自分の地位を守れない人たちによる自分よがりの政治。

EU離脱派の政治家もまた、人々の不満や不安を「移民」などの分かりやすい標的に向けることで支持層を広げ責任を逃れてきました。でも破壊的な政策は持続性が低いとともに、今ある制度で守るべき箇所を見逃してしまう恐れがあります。

*****

 

 

右翼派や人民主義への支持が目立つ今、12月4日に行われるイタリアの国民投票が注目されています。レンツィ首相が提案する憲法改正案は上院の定員を200人以上減らし、議決権を下院に集中させ、法律を変えやすくしようという試みです。現段階の世論調査では「反対」派が少し上回っているようですが、イギリスとアメリカでも事前の調査では、EU離脱およびトランプ氏勝利の可能性は低いと報道されていました。

イタリアの他にもオーストリア、オランダ、フランス、チェコ、そしてドイツが2017年末までに国民投票、または大規模な選挙を控えています。どれもが経済、政治、社会の面においてヨーロッパだけでなく国際社会の将来に大きく関わってくる投票になると思います。

 

2016年の2大事件、Brexitそしてアメリカの大統領選挙から学べるとがあるとすれば「投票することの大切さ」だと思います。自分の描く未来は自分にしか分からないし、自分の声は自分にしか発せない。これを機により多くの若者が一票一票の重みと責任を改めて認識することをできたらなと思います。

 

それではまた、次回まで。

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【クマタチの教室】第三回:アメリカ大統領選挙について

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赤や黄色に染まった葉もだいぶ散り、プロビデンスでは冬の訪れを感じています。暖かかった昨日の秋日和はどこへ行ったのか、今日はぐっと冷えて、今週末予報されている雨は雪に変わるかも?

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さて、月刊企画の”クマタチの教室”は今回で三回目!

テーマは…

 

 

選挙から2週間経った今でも、日々ニュースは大統領選のことばかり。ブラウンでは先週の水曜日、トランプ氏に対する抗議が行われました。キャンパス中、まだこの話題は絶えません。日本では”意外とトランプ氏でも大丈夫なんじゃない?”という肯定的にニュースでは報道されているようで、世界的にも株価は上がっていますが、今アメリカにいる身として見て、聞いて、思うことは何なんだろうか?

今回はメンバーそれぞれがこの選挙で一番印象に残ったことについて書いていきます。

 

 

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【クマタチの教室】真ん中はからっぽ。僕らは、はじっこ。

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どもども。

 

健太です

 

 

お久しぶりですね。

 

最近のニュースと言えば、Food Safety Managerという州公認の資格を取得しました。日本で言うと、食品衛生管理者のような資格です。本格的なコーヒーショップを運営するには、州に店を承認してもらわなくてはならず、そのためにはこの資格を持っている人が1人必要なので、僕が取ることになりました。オンラインでコースを受講し、いざ試験を受けるために試験会場を予約しようとしたら、なんと一番近い試験会場がマサチューセッツの僻地にあr、プロビデンスから電車で3時間の場所… 仕方なく往復6時間を掛けて1時間弱のテストを受けに行き、無事合格しました。これでやっと州に正式な店として承認してもらうための申請ができます。胸を張って「生徒運営ですが立派なコーヒーショップです」と言えるまであともう少しです。

 

 

さてさて。

 

新企画「クマタチの教室」第二弾のテーマは「日本人ってなんだろう」

相変わらず週の終盤で滑り込み投稿です。

 

僕自身は生まれも育ちも東京なので、日本で生活していた頃には気づかなかったことですが、案外「日本人」を定義するのは難しいもの。もちろん国籍の有無で書面上は日本人かどうかを判断できますが、実際の人となりとしての日本人をどう定義するかはとても難しいような気がします。

 

では国籍以外で、「日本人」を定義する方法はあるのか。ここで真っ先に思いつくのは、言語や文化的習慣からのアプローチです。敬語を使う日本語の言語的な特徴、そこから派生する日本独特の礼儀作法・おもてなしなどの文化。端的には、それらを無意識の内に自然と使いこなす人を日本人と定義することもできるでしょう。

 

と、このままではここで考察が終わってしまうので、あえてもう少し深層部に踏み入ってみようと思います。日本人・日本文化の深層に辿りつく為に、僕が今回道標にしたのは2冊の本と、ブラウンで履修したとある授業。

 

  • 「中空構造日本の深層」河合隼雄

  • 「日本辺境論」内田樹

  • Japan’s Pacific War: 1937-1945

 

それぞれ順に見ていきましょう。

 


~「中空構造日本の深層」河合隼雄 ~

 

日本を代表する心理学者でもある河合隼雄の著書で、日本人の心の深層を解明する上で、古事記などの神話を着想に、「日本の本質とは中空構造にあるのではないか」という大胆な議論を展開しています。心理学者であった河合隼雄は、患者の臨床例を見ていく中で、西洋の精神医学理論が日本人の患者に当てはまらないことがあることに気づきます。そして「日本人と西洋人の精神構造は違うのではないか」という仮説に辿り着きます。そして様々な文献を読み、日本神話に仮説を立証するためのヒントを得たのです。

 

神話に登場する難しい名前を省いて、簡単に説明すると、「中心的な存在として登場する神様が、登場以後は無為に扱われている場合が多い」というのが、河合の気づきでした。中心的な存在であるにも関わらず、ほとんど記述がないことに疑問を持った河合は、この「登場しない隠れた神様」が、互いに相対する二項対立的な2人の神様の間で、密かにその間を取り持ち、緩衝地帯的な役割を果たしているではないかと推測します。もっと簡単に言えば、対立する間を取り持っている隠れた仲裁役とでも言えるかもしれません。そして河合はこの推測を基に、「日本神話は中空構造を持って成り立っているのではないか」と推理しました。

 

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以前ブログでも紹介した松岡正剛さんが、千夜千冊で本書を取り上げた時に触れたように、実は中空構造は日本文化の至る所に存在しています。例えば日本の神社の中心には、魂箱なるものがある場合がありますが、その中は空っぽだったりします。また鏡を置く神社も有り、この場合も中心には神が存在せず、物事を反射させているだけなのです。

 

その後河合は更に推論を発展させ、「日本文化の特徴は、中心となるものが隠されており、その“見えない存在” が、実は左右のバランスを取りながら、社会全体を機能させている」という仮説に辿り着くのです。

この仮説をよく覚えておいて下さい。

 


~「日本辺境論」内田樹 ~

 

次に取り上げるのは、新書大賞を受賞した内田樹の「日本辺境論」という本です。本書は日本国家、文化、社会を「辺境」という概念を用いて考察しています。内田の著書の多くがそうであるように、本書は攻撃的で批判的な考察を含んでいますし、ところどころ暴論とも言えるような議論が展開されていますが、思考の触媒としては、素晴らしい本です。

 

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「辺境」とは簡単に言えば「はじっこ」の事。他国との比較でしか自国を語れない国家としての特質や、後発者として先行者を追うことには長けているが、先行者の立場から他社を引っ張ることが苦手である日本人の国民性を指摘し、「日本人は辺境人である」と議論を展開します。そして内田は日本人が世界標準的な何かを作り出すことが出来ないのは、メッセージに意味や有用性が不足しているからではなく、「保証人」を外部の上位者につい求めてしまうからであると論じます。この後、日本人の学び、機の思想、日本語の辺境的な特性と議論は進んでいきますが、この企画のテーマである「日本人」を理解する上で本書から得られる重要な示唆は、「日本人が辺境人であるとすれば、自分自身の存在や主張を他者との比較に置いてしか語ることができず、その正しさも他者に保証されていなくては妥当性が確保できない」という仮説です。

 


~Japan’s Pacific War: 1937-1945~

 

そして最後に前述の2冊の仮説を踏まえて、最後に紹介したいのが、僕が昨年の秋に履修したJapan’s Pacific War: 1937-1945という授業です。これはアメリカ人の教授が、日本の視点に立って太平洋戦争に考察する授業で、太平洋戦争の発端から戦後の復興までを時系列で紐解くことで、「なぜ日本は戦争に踏み切り、あのような結果に至ったのか」について考えるのが目的でした。様々な文献や映像資料などを通して、政府・軍高官の意思決定の経緯、国民の心境を分析する中で、僕は河合と内田の仮説が、図らずとも実証されていることに気づきました。

 

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戦時中の日本における中空構造

ドイツがヒトラーという独裁的で絶対的なリーダーを中心に意思決定をしたのとは対照的に、日本の戦時中の意思決定機関には絶対的なリーダーが存在しませんでした。もちろん天皇は象徴的に意思決定の最高責任者でしたが、意思決定の根拠となる理論や思想を持ち込んだのは政府・軍高官であり、この日本のブレインとも呼べる役職の人は戦時中代わる代わる交代していきました。終戦から70年がたった今も、戦争責任がどこにあるのかを明確に断言できないことが、河合が提言した中心が空っぽである中空構造に起因していることは容易に推測できます。(余談ですが、今年話題になったシン・ゴジラは中空構造を皮肉っぽく描いていましたね)

 

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大東亜共栄圏を生んだ辺境人として思想

また大東亜共栄圏の思想や、それを基にした戦時中プロバガンダ映画には、内田の提言する「辺境人としての日本人の思想」が色濃く現れています。西洋諸国の植民地からアジアの国々を開放することを掲げた大東亜共栄圏の思想はあくまで、西洋諸国という明確な先行者が存在したから成立したのでしょうし、内田が辺境人的思想として挙げた「状況を変化させる主導的な働きはつねに外から到来し、私たちはつねに受動者であるという自己認識」を発端として生まれています。

 


 

ここまで河合の中空構造と内田の辺境論を紹介し、これらを使って太平洋戦争を考察しました。これだけを見ると、「日本文化の中心部は空っぽで、日本人は他者と比較することでしか自己を定義できない端っこの民族」のような、とってもネガティブなイメージが浮かぶかもしれません。しかし、河合の中空構造と内田の辺境論もポジティブに捉えることが可能です。

 

河合の中空構造論では、「中心となるものが隠されており、その“見えない存在” が、実は左右のバランスを取りながら、社会全体を機能させている」としていました。これは裏を返すと、「対立する2つの勢力が存在する社会を機能させるには、“見えない存在” がバランスをとる必要がある」と捉えることができます。つまり、絶対的なリーダー達の間にファシリテーターが必要で、日本人はそれに適しているかもしれないのです。

 

また著書内で内田は辺境であることは決して悪いことではないと言っています。辺境であることを否定し、非辺境的な国に成り代わろうとして「ふつうの国」になるよりは、辺境であることを追求する方が良いのではないかと説いているのです。後発者としてしての劣等感は、他者から学ぶことに貪欲であることの証です。とても抽象的な考えにはなりますが、あらゆる中心的な思想にとっての辺境の位置は、それら主流の思想の丁度中間に当たり、ある意味中心なのかもしれません。

 

まとめると、

日本の文化・社会構造は中空構造の基に成り立っていて、そこに属する日本人は、辺境人としての意識から他者との比較を通して自己を定義する傾向にある。そんな日本人は、見えない存在として、異なる文化・人種の間でバランスを保ち、辺境を追求することで、あらゆる中心的な思想の中間でグローバル社会を機能させる役目を担うことを目指すべきである。

となるでしょうか。

もちろんここで言う「日本人」は象徴的な意味での「日本人」なので、全員が全員ファシリテーターになる必要はないと思います。ただ日本人で上記のような役割に向いている人は多いのかもしれません。

 

 

さて、ここまで長々と考察してきましたが、肝心の僕自身の話をしようと思います。

 

もともとの性格からすると、僕は誰かの間に立って中間的な役割を担うようなタイプではありませんでしたし、かといってチームの先頭に立って、誰かを引っ張るタイプでもありませんでした。どちらかというと、好き勝手に一人で好きなことをやるタイプだったような気がします。

 

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そんな自分の立ち位置が大きく変化したのは、カナダに留学してからだと思います。80カ国以上の国から集まっている周りの友達は、それぞれ強烈な個性を持っていて、誰も間に立とうしないので、必然的にその中では比較的に冷静に物事を俯瞰することが出来た自分が、人の間に立つことが多くなりました。

 

良いことなのか悪いことなのかは分かりませんが、僕は白黒はっきりした意見を持つタイプではありません。「ベジタリアンは正義だ!」なんて思いませんし、「リベラルこそ正しい、保守なんてクソくらえ」なんて思いません。2つに意見が分かれる事柄を議論する時に、どちらか一方に完全に同意することは、ほとんど無いです。どちらかと言うと、言い方は悪くなりますが、それぞれの立場で自分の言うことが絶対正しいと思う人たちの間に立って、時々茶々いれる方が楽しいと感じてしまいます。絶対正しいと言える意見を持てないという点では、ある意味僕はとても日本人的だと思います。

 

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そして人の間に立つようになることが増えると同時に、チームでなにかプロジェクトをすることになると、先頭立つより、目立つ人を自分の前に置いて、自分自身はその人の影で物事を密かに進めるのを好むようになりました。(マニアックな例えかもしれませんが、サッカーで言えば、中村俊輔では無く、遠藤保仁的な立ち位置です笑)

 

こうしてあらゆる国の人と接する中で(ここでも他者との比較ですね)、自分は個性的で対立する人同士の間を取り持ったり、チームのナンバー2的なポジションで密かに物事を前にすすめることに向いてることに気づいたのです。そういう意味では、留学してからのほうが「日本人らしく」なったかもしれません。

 

一応ここで他のブラ熊メンバーの思う、僕の日本人っぽいところを見てみましょう。

 

  • きっと褒められたいんだろうなぁ、っていうような自慢をちょろっと言うところが男子高校生っぽい
  • 丁寧なところ
  • ツッコミ好き
  • 独特なオーラを持っていて、”日本人らしい”というかケンタは”ケンタらしい”。しいて言えば、こだわりがあって丁寧なところ
  • 何かどんな質問してもシッカリした答えが返ってくるところ。
  • 勤勉
  • 趣味や、空き時間の使い方

 

一つ目のよくわからないキアからの苦情は無視しますが、それにしても他のメンバーのコメントも、果たして日本人っぽさなのかよくわからないコメントですね笑

しいていえば、こだわりがあって丁寧なところは日本人っぽいのかもしれませんが、「何かどんな質問してもシッカリした答えが返ってくるところ。」ってもはや日本人じゃなくても成立しますしね笑

 

とまあ、締まりが悪いですが、こんな感じでどうでしょうか?

 

皆さんの意見もまだまだ受け付けています。是非こちらから投稿して下さい。

インスタグラムも始まったので、是非見てみてあげて下さい。アカウント名はburakuma_brownです。

 

それではまた来週!

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【クマタチの教室】やっぱり自分は日本人だな~と思うとき

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右見て、左見て、右見て…あやうく車にひかれそうになった時。

あ、そうか、ここはアメリカで、右側通行なのだと改めて思った。日本に住んでいて気づかぬうちに身についていた習慣に気づき、”ああ、やっぱ日本人だな~”と感じる。

 

この間、にんじんの事実を知った時。

アメリカでは良くスナックとして食べられる”Baby Carrots”。名前の通り、赤ちゃんのように小さいにんじんがパックに入って売っていて、みんな生のままボリボリ食べている。

このにんじん、実は普通のにんじんを小さく加工したものだと、初めて知った。

衝撃でした。

えっ?嘘?小さいにんじんの品種が本当にあるんじゃないの?機械で加工されているなんて…そんなのありえない!えっ?だって機械で加工しているんだったら、何で全部少しずつ大きさや形が違うの?嘘でしょ?

驚く私に、アメリカ人の友達は笑ってました。

でも確かに、あんなに小さいにんじんが畑で生えているのを想像すると…なんだか笑える。こんなこと知らないなんて、やっぱ日本人だな。

 

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気になる方はネットで検索してみてください。

 

ルームメイトに”夜中、日本語で叫んでるよ”と言われた時。

え?そんなに寝言言っているとは…。

でも夢が日本語ってことは、やっぱり日本語が母国語なのか。

やっぱり自分は日本人だな~。

 

食事をする時。

必ず手を合わせて”いただきます”と言わないと、なんだか違和感を感じる。

日本人として、必ず”いただきます”と”ごちそうさま”と言うように育てられたからか。

日本人ならではだな~と思う。

 

背の順に並んだ時。

アメリカではいつも一番小さくて列の前の方だったのに、日本に帰って列の後ろの方に入れられた。小学校3年生だった私が感じた、日本人の背の低さ。

そして今でも日本ではLサイズでもアメリカに行くとSか時にはXSサイズ。

 

道を渡るのに車が止まってくれた時。

片手を上げるのが一般的かもしてないが、ペコッと少し頭を下げてお辞儀をしてしまう。これじゃあ運転手には感謝の気持ちが伝わっていないかも…。でも自然と身体がこう動いてしまう。

 

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図書館の窓からの眺め。キャンパス中の横断歩道や交差点は信号があっても無くても日中は大混乱。

 

友達に連絡をする時。

メッセンジャーでも、スカイプでも無く、LINEを使う。

アメリカ、韓国、中国、台湾などそれぞれの国で一般的なチャットアプリがある。だからLINEを使うと、日本人だな~と感しる。

 

たぶんもっとあるけど、今思いつくのはこれぐらい。

 

他のブラ熊のメンバーには

・見た目/ファッション

・言葉遣い/話し方

・手先の器用さ

・しっかりしてる

・学生鞄

・Facebookで日記的な投稿が多い

 

と言われました。確かに、見た目に関しては日本人の友達に”純日本人に見える”と言われたことがある。言葉遣いというのは、友達でも敬語を使ってしまうところのことだろうか?そしてFBに日記的な投稿が多いって(笑)

 

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姉が高校の時に買わされたけど全く使わなかった補助鞄。使わなくちゃ勿体無いでしょう?パソコンもちょうど入るし、床に置いても立つし、本入れるのにちょうど良い形だし…学生鞄ってこんなにも良くデザインされているんだなと感じてます。

 

みなさんはどんな時に”やっぱり日本人だな~”と思うでしょうか?

こちらから意見を投稿してください!

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日々の生活を写真を通して紹介しちゃいます!

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【クマタチの教室】あの頃も寒かった

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未だ10月。ハロウィン前だというのに、寒いです。

指先が冷え、火災報知機がなるから決して部屋に置かれることのない暖炉の前で優雅に温まることを妄想する日々が近付いては、中学1年の冬を思い出します。

 

バスケ部に入部して数か月。

 

ミーテイング中はコートを着てはいけないという決まりを、雪が深々と降る季節でも守る女子バスケットボール部。目の前には先輩がずらっと並んでいて、スカートと靴下の間に出ている膝小僧の感覚がないことを忘れる程の厳しい言葉を頑張って飲み込んでいました。

 

中学生だった私にとって、学生生活の中でも「部活」という世界はとても刺激的で、ブラックホールのようにあっという間に自分の時間と体力を吸い込むものでした。

 

「派手な色のエナメル(部活用のカバン)は使ってはいけない。バスパン(バスケ用のズボン)は黒か紺でなくてはいけない。練習前に全面雑巾がけを終わらせてないといけない。」 一体どこの誰が決めたのだろうという、代々受け継がれるルールの中、3年間わたしは「上下関係」というものを痛いほど教わりました。

 

今思えば、あんなに恐れていた先輩も、当時は自分の(だいぶ年の離れた)妹ぐらいだったと思うと、あの3年間はなんだったんだろうなと微笑ましくなります。

 

***

 

「礼儀・言葉遣い・人との接し方」

 

全部、中高時代にやっていた部活動から学んだもの。そして今となっては意識せず反射的に表に出る自分の「日本人」らしさです。

 

さすがブラ熊メンバー。個人的にはしっくりきています。

 

「あなたの日本人らしいところは何ですか」って聞かれた時に、私も自分で真っ先に「目上の人や他人との接し方」って答えるから。

 

でもそれは、日本人は必ず礼儀正しくあるべきで、上下関係を崇拝するべきだという考えからではありません。

 

おそらく、幼い頃に抱いていた、「帰国子女」という強みが通用しない世界で認められたいというワガママからきた「クセ」だと思います。

 

話をバスケに戻しましょう。

 

入部当初、自分の代で私は一人だけ帰国子女でした。

 

しかし、海外経験があるからってバスケ部の顧問も先輩も知ったこっちゃありません。ドリブルができるのか、シュートは的確か、スタミナはついているのか。そんなことよりもまず、応援の声はちゃんと出るのか、時間厳守で動いているか。

 

部活中は英語の「え」の字すら出てきませんでした。

 

嫌になるほど厳しい毎日だったはずなのに、何だか少しホッとする時間。

 

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       秋(冬)晴れです。

 

ドリブルの技を覚えた時。シュートが連続して入るようになった時。ランニングのタイムが上がった時。どれもこれも「帰国生」である自分とではなく、バスケプレーヤーとしての自分が成し遂げているように思えました。

 

「めいは英語の試験は勉強しなくていいね」、「英検なんてすぐとれちゃうね」から始まり、「留学も元から話せるなら大丈夫だね」、「他のことに没頭できる時間があっていいね」。

 

こう言われる度に、とてもとても贅沢な悩みではあるものの、何だか自分の今までやってきた事が無条件に「帰国子女」であることで片づけられていた気がしてたまりませんでした。

 

「わたしは英語がない環境でもやっていける」

 

帰国生として、周りの目が良い意味でも悪い意味でも気になりだした中学時代は、このような自分を人にアピールするのに精いっぱい。形から入ることの多かった私は、何よりも言葉遣いや他人と接する時に立ち振る舞いに力を入れていたような気がします。

 

***

 

だいぶ思い出話を盛り込んでしまいましたが、つまり「日本人」って何なのか。

 

偶然にも去年、の記事で似たようなテーマの下、記事を書いていました。

 

結論から言うと、やはり去年も書いているように、「日本人」というはっきりとした定義はありません。アイデンティティーは複雑で、個人の感覚によって違います。

 

ただ一つ言えるのは、日本特有の礼儀作法や言葉遣いは、「日本人」同士で交流するのに便利だということです。過度な上下関係が良いか悪いかは別として、敬語が使える人に嫌悪感を抱いたという人に、少なくとも私は会ったことがありません。

 

 

 

日本語を取っているルームメートはいつもこう言います。

 

「言語は、その国特有の文化を教えてくれるから好き。」

 

敬語はなんでこんなに複雑なんだーと嘆きながら宿題をこなす彼女ですが、最終的にはこのようにして自分を落ち着かせています(笑)

 

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「敬語があるのは日本語ぐらいじゃない?アメリカでは、上司にwill youって言ってもwould you って言っても気にされないからね。めいは英語を話していても物事を遠回しに言うことがあって、日本人だなーってそういう時は思うよ!」

 

「日本人って何だろう?」という質問に対して彼女はこう答えました。

 

敬語を使える人だけが、「日本人」というわけではもちろんありません。使わないけど「日本人」ってオーラの人もたくさんいます。でもどこかで、「使わなきゃ」って焦る人もいます。多分この焦りこそが、海外からの目を含め、世間一般的に言われる「日本人らしさ」なのかなと思います。単純すぎでしょうか。

 

いつの間にか、日本特有の言語に悩まされている。

 

これまで何千、何億もの人が想いを伝えるための手段として使ってきたものなのに、悩みのタネとなる。この複雑さでこそアイデンティティー。

 

***

 

というわけで、「クマタチの教室」まだまだ続きます!

 

みなさんのご意見、ご質問お待ちしております!今回の「日本人って?」というテーマについてのご意見はこちら

 

また、ブラ熊公式インスタも開始しました!キャンパスの風景から夕飯の内容まで、気まぐれにメンバーが投稿しています。

 

それではまた来週!

 

P.S. 最近ネタ切れ状態でございます。「物理・哲学ってぶっちゃけ楽しいの」とか「目玉焼きにかけるのはケチャップ?醤油?」など、ご意見・ご質問絶賛募集中です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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インスタグラムはじめました。クマタチの教室:第二回ご意見募集!

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ブラウンの熊たち、インスタグラムはじめました。

 

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クマたちの日常。プロビデンスの季節の移り変わり。試験期間中の図書館の中。などなど….

写真を通してお送りします!

アカウント名はburakuma_brown。是非フォローしてみて下さい!

 

そして、同じテーマについてメンバーが記事を書き、ディスカッションをする新企画「クマタチの教室」。第二弾は「日本人ってなんだろう?」

 

日替わりでメンバーそれぞれが自分の「日本人らしさ」について考察します。そこで読者の皆さんからも自分が「日本人だなあ」と思う瞬間について、募集します。どしどしご応募下さい!

https://goo.gl/forms/DwcHP1ERqHv5htc33

 

第二回の企画は明日から始まります!お楽しみに!

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クマタチの教室 【第1回:多様性ってなんぞや】

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どーもどーも。

健太です。

 

先週から始まっている新企画。

同じテーマについて各メンバーが記事を書き、その記事を読みあった上でディスカッションをするというこの企画。その記念すべき第1回が無事終了しました。

 

まずはテーマと記事のおさらい。

 

 


テーマ:多様性ってなんなんだい。

事前に各メンバーが読んだ資料:ブラウンの”Institutional Diversity & Inclusion”のページ

記事を書く元になった3つの質問:

  1. ブラウンの”Institutional Diversity & Inclusion”のページで公開されている統計は多様性を表しているか。
  2. そもそも多様性とは何か。
  3. 2で定義した多様性は大学に必要か。

 

〈各メンバーの記事〉

キア:「多様性」

ケンタ:「定食の味噌汁」

トモキ:「多様性は氷山」

メイ:「みんな違って、みんな良い」

ユウコ:「私が思う”多様性”」

ユウ:「ブラウンでの『多様性』- みんな何が違うのか」

カナ:「タヨウセイ」


 

 

そして、各メンバーの記事を踏まえた上で、ディスカッションを行いました。その様子を撮影したので、こちらからご覧ください!

 

 

実際のディスカッションは30分程でしたが、動画はぎゅぎゅっと15分ほどのダイジェストになっています。動画に登場する新米熊たちは、今週の土曜日に自己紹介記事を書いてもらうので乞うご期待。

 

というわけで、新企画いかがでしたか?

記事に対する意見。議論に対する意見。次回のテーマの提案。野次。

なんでもコメントお待ちしております!

 

それでは第2回もお楽しみに!

 

 

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